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庭園日記

「 ミニコラム 」

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2025.05.06 Tuesday 15:18

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映画評論を読む

2009.02.22 Sunday 17:39

 村山匤一郎『映画史を学ぶクリティカル・ワーズ』(フィルムアート社)を読んだ。ゴダール本人の著作『映画史』も示唆に富んだ内容で、「映画」というジャンルの定義を考える教科書らしい。
 ここのところサブカル批評を趣味の範囲で調べたが、文学や美術・古典音楽などのインテリ層の親しむ芸術への対抗文化が漫画・アニメだったのだろうが、その役割をするにはまだ到達点ではないと思う。
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ロマン主義の本質

2008.11.17 Monday 06:16

 「クラシックなものとロマンティクなものが、たえず鳴り響いたり、語られたりしているのに気づいただろう」

 「(クラシックなものもロマンティクなものも)どちらも同様、結構なものだ。大切な点はこの形式を理性的に利用して、その中で傑出したものをつくりうるかどうかということだ。だからまた、その両者をつかっても、くだらないものとなる場合もあるわけだ。そんなときはどちらも何の役にも立たない」

ゲーテより

 ゲーテの述べるとおり、完成しているだけでは作品はそれ以上のものへと昇華しない。『ファウスト』を読んだ者なら分かることだが、伏線や構成以上の、作者自身の感情が解放されたとき、名作が生まれるのだ。ここ数年の漫画は特に商品として完成されたものを目指すばかりで、それ以上のものを得ようとしていない気がする。

完結しない物語と回収されない伏線

2008.11.01 Saturday 06:18

 カフカの『審判』は次々と物語の謎が浮上していき、それらが解決しないまま結末を迎える。文学作品が例だと分かりにくいかもしれないが、身近なものだと「新世紀エヴァンゲリオン」の後半パートに見られる。「エヴァ」では前半がSFロボットアニメで綿密な伏線で成り立っているのに対し、後半は哲学アニメとなりその伏線が反転される構図となっている(例:使徒ではなくゼーレがサードインパクトを引き起こそうとしている、いままでアダムだと思われていた存在が実はリリスだった)。これは前半のシナリオの完成があって初めて出来た技法なのだ。
 『審判』でも「エヴァ」でも物語上の謎は伏線というよりは物語を奏でる楽器のような役割を果たしている。楽器という言葉を持ち出したのは、この技法が音楽のような形式美を作り出すからだ。どの楽器を使うか、その楽器をどう奏でるかが肝心だろう。

昭和特撮の技術力

2008.10.26 Sunday 16:43

 日本映画専門チャンネルにてゴジラシリーズが一挙放映されるらしい。以前BS2でウルトラマンシリーズの演出家・実相寺(ちなみに彼も「エヴァ」の庵野や押井と同じくゴダールに魅せられた人間らしい)の特集番組があったように、最近昭和特撮が再びピックアップされているのだろうか?確かいつかの日本経済新聞でもウルトラマンの怪獣デザインを担当した現代美術家の作品が紹介されていた。ウルトラセブンは古典SF小説からも想を得ている。演出・脚本といい、どうにも昭和特撮は手間の掛けようが相当なもので、その技術はさすがなのだろう。

 私のなかで昭和特撮への関心の持ち方が最近変わってきた気がする。ひとまず名作と名高い「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」(「セブン」は実相寺が関与していて、「帰ってきた~」は庵野がリスペクトしている)はチェックしてみるといいかもしれない。

メタフィクションの魅力

2008.10.05 Sunday 15:25

 メタフィクション、詳しい定義は私も理解していないが、つまるところ小説について述べる小説のことらしい。確かにメタ的と称されるレムの『完全な真空』やボルヘスの『伝奇集』は架空の小説を紹介する小説だ。どうにもこの手の既存の小説形式を逸したポストモダン文学は研究者もしくは小説以外の読書家に読まれることが多いらしい。彼らはごく一般的な小説では満足しないのだ。
 小説の定義を超えて多様なジャンルを小説に含めたいあなたには是非思想書、特にライプニッツの『モナドロジー』、ホッブズの『リヴァイアサン』、スピノザの『エティカ』を読んで頂きたい。フーコーなど現代思想も哲学というより文学の側面が強いらしい。これらはフィクションとして読むとまた違った視野で読めて面白い。
 なんでも、ボルヘスは宗教もオカルトも哲学も全て文学作品として読んだそうだ。彼の作品世界に惹きこまれると小説の定義が分からなくなってくる。
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