「*開かれた終り」に代表されるように、作品を読者の解釈に委ねる姿勢は実に結構だ。作品とは読者に伝達するものとは限らない。勿論、客観性を欠いた作品は作品としては十分ではないが、それは作者と作品の基準で決定される。
何故ならば、作者から読者へと伝達されるものは必ずしも一致せず、正しく伝わる必要は無いからだ。
作品とは作者の手を離れたテキストであるから、それをどう享受するかは読者次第である。つまりそれは結局のところ、読者に読み解く技術を要求することでもあるのだ。
*開かれた終り--明確な結末ではなく、読者の解釈に委ねる結末のこと。典型的な例は旧劇場版のエヴァンゲリオン。