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庭園日記

「 ミニコラム 」

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2025.05.06 Tuesday 11:20

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音楽という基本

2009.03.31 Tuesday 10:20

「音楽は最もよい意味で、比較的新奇を必要としない。否、むしろ、音楽は古ければ古いほど、人々がそれに慣れていればいるほど、効果的である」p103

「芸術の品位は音楽において最も高貴に現れている。それは、音楽には取り除かれねばならないような素材がないからである。音楽は全く形式と内容だけで、その表現する一切のものを高め、気高くする。」p103-104

「われわれはあらゆるものの中で音楽を教育の基本に選んだ。音楽からあらゆる方面へなめらかな道が通じているのであるから。」p104

高橋健二編訳『ゲーテ格言集』(新潮文庫)より

 音楽は作らずとも聴くだけで意味と効果がある。音楽が芸術の中でもっとも芸術としての純度が高い分野である。音楽の方法論を作品のモデルに設定することで小説や映画でさえも音楽に近づけることが出来る。ゲーテもゴダールも音楽のような映画(小説)が最も素晴らしいと定義付けているようだ。われわれは音楽から教育の糧を得ていく。すなわち音楽は一般教養である、ということだろうか。

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神話と引用

2009.03.30 Monday 09:38

 歴史上最大の引用の宝庫はやはり神話であろう。小説・映画において神話という題材は幾度も使われた。引用には共有するテクストを設定することが大事だが、その対象が神話だ。さらにいえば、エポック・メーキング(新世代)作品は常に神話を背負う。小説を書く際、ジョイスのように「神話を作る」「歴史を作る」感覚で小説を書いていくと普遍的な認識で作品が作れるのではないだろうか。

引用・オマージュから成り立つ作品とその技法

2009.03.29 Sunday 23:48

 引用だけで全てが成り立つ小説作品の代表としてJ.ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』が挙げられる。
 この作品には膨大な種類の注釈が可能であり、それだけ不可解な引用を多く残している。その内容は極めて難解で、大体の作品コンセプトを把握できれば十分であるから実際に日本語訳を読むより解説書を通読することを勧める。引用という技法には批評を展開する効果がある。これにはオリジナリティの否定が思想の根底として流れており、またオリジナルとは引用でこそ発揮できるという証明でもあるのだ。
 「引用」という現代文学の手法は確かに追求すると面白い。漫画だと岡崎京子の『リバーズ・エッジ』が引用の宝庫らしい。

商業と非商業の間で揺れる作品

2009.03.27 Friday 17:39

 リドリー・スコット監督映画「ブレード・ランナー」は「スターウォーズ」などのハリウッド製SF映画とは一線を画した哲学性と造形美の追求でカルト人気を獲得した。商業と非商業の間で揺れ動いた「ブレード・ランナー」。プログレッシヴ・ロックがクラシック/現代音楽の難解な技法をロックに導入したことでコア層以外のリスナーを遠ざけたように、「ブレード・ランナー」もまたマイノリティ層にしか愛好されなかった。
 ひょっとしたら特撮やSF映画にこそ、職人芸の分かる鑑賞者が必要なのかもしれない。

「批評を書くこと」=「作品を作ること」~ゴダール的試論~

2009.03.27 Friday 17:28

 ゴダールは批評を書く(映画を語る)ことと映画を作ることは同じであると捉えている。つまり、特定の映画を誉めることはその映画を作るのと同様でもあるのだ。現在、友人間で創作の話題で盛り上がるが、そのなかでネタ切れが一番早い私はゴダールのように批評から慣らして言ったほうが早いかもしれない(その際、批評に実際に感じた以上の内容を書かないこと。つまり、粗探しと無闇な賞賛を書かない)。
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