「音楽は最もよい意味で、比較的新奇を必要としない。否、むしろ、音楽は古ければ古いほど、人々がそれに慣れていればいるほど、効果的である」p103
「芸術の品位は音楽において最も高貴に現れている。それは、音楽には取り除かれねばならないような素材がないからである。音楽は全く形式と内容だけで、その表現する一切のものを高め、気高くする。」p103-104
「われわれはあらゆるものの中で音楽を教育の基本に選んだ。音楽からあらゆる方面へなめらかな道が通じているのであるから。」p104
高橋健二編訳『ゲーテ格言集』(新潮文庫)より
音楽は作らずとも聴くだけで意味と効果がある。音楽が芸術の中でもっとも芸術としての純度が高い分野である。音楽の方法論を作品のモデルに設定することで小説や映画でさえも音楽に近づけることが出来る。ゲーテもゴダールも音楽のような映画(小説)が最も素晴らしいと定義付けているようだ。われわれは音楽から教育の糧を得ていく。すなわち音楽は一般教養である、ということだろうか。