最近は徐々に漫画を読む量が減ってきた。というよりも、好みが厳選されてきた傾向にある。もう、一部の作品しか読まない。
それで例外的に観る作品はやはり『新世紀エヴァンゲリオン』なのだが、ああいった思想性の強いアニメ作品が最近は面白い。アニメにも*間テクスト性があっていい。
最近は各所で「漫画はアートか?」という議題が触れられているようである。どうやら確かに現代美術家の村上隆の作品に代表されるように、教養的なものとオタク的なものが交叉している現在なのだろう。
この「オタク的なものと教養的なものの交叉」については関連書籍を読んで詳しく突き詰めたい。
*間テクスト性--既存の文学テクストとの関連性があること。文学といっても、絵画や哲学書も含まれる。
前回は作品内の仕掛けを読み解くことを話した。こうした細かい仕掛けを読み解く力が着くと、面白い/つまらないの二面的な評価から一旦抜け出て、客観的な基準を持てる。
よく誤解されるけれども、これは論語の「これを学ぶものはこれを好むものに然ず、これを好むものはこれを楽しむものに然ず」と矛盾していない。
そして、これを審美的に無意識で出来るのが一番作品を楽しめる。なのでここでは、作品の脈絡と背景を気にせずに作品を読んで欲しい。既に作品は読者の手に渡った時点で解釈は読者に委ねられているのだから。
そして、読み解く楽しさを孕む作品は再読に値する。優れた作品は一冊の本に喩えられる。最初は難しくて当たり前だから気にしなくていい、繰り返し繙こう。難しい本とは解釈が多様である。