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庭園日記

「 覚え書き 」

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2025.07.08 Tuesday 14:23

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読み解きの楽しみ

2009.09.09 Wednesday 18:04

 プログレにせよヱヴァにせよエーコにせよ、ポストモダン作品は基本的に鑑賞者に「読み解きの権利」を与える。普段何気なく観ることで流していた描写などはよくよく理解すると重要な演出であってその意味もまた読み解く余地がある。特にヱヴァとエーコはエンターテインメントというジャンルで以って鑑賞者をその謎解きへと誘い込み、要するに、娯楽目的で作品を観る鑑賞者を知識の世界へと関心を持たせるわけだ。エーコは公衆という読者を見事に理解してかのベストセラー『薔薇の名前』を作り上げた(同作者による『フーコーの振り子』のアヴァンギャルド性については後述)ので、私のように無知な読者でも経験するあの知識の海はエーコによって計算尽くで、商業性と芸術性を見事に両立させてしまった。
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アイディアのストック集

2009.07.13 Monday 12:16

今ストックしてあるアイディア
演劇:
・ホッブズの思想書『リヴァイアサン』で描かれた国家を劇で再現する
・ウンベルト・エーコのように引用で劇を成り立たせる
映画:
・森博嗣『スカイ・クロラ』の映画脚本化(去年公開されたアニメ版とは違ったアプローチ)
・『トワイライトゾーン』やヒッチコックのようなシュールなショートショート

 小説に対して、映画と演劇は実際に上演するまでに手間と金が掛かるのが難点だけどね……。何にせよ、アイディアのスケールが大き過ぎるのでしばらく温める予定。ところで、黒い稲妻さんの脚本が完成したようですね。勿論今までアイディアは沢山あったかもしれないけれども、実際に脚本までかこつけたのはこれが初めてなのかな? 何はともあれおめでとう。自分も最近は興味が上に挙げたように脚本に向いてきたので、今忙しいだろうけど、機会があれば、色々黒い稲妻さんに教えてもらおうかな……。

物語の構成要素

2009.07.12 Sunday 17:29

 物語の構成要素というと、プロップや大塚英志のような物語の下敷きのことを連想されるかもしれないけれども、今回思いついたことはそうではなく、物語のコンセプトのことだ。今日イットさんと話題になったが、「特定の映画と映画が似ていると言われるとき、本筋以外に似ていることがある」といった次第である。
 例えば、『マトリックス』は『ブレードランナー』の影響下にある作品だが、別段レプリカントが出てくるわけでも、デッガードそっくりのキャラクターが出てくるわけでもない。多分、別のところに関連・類似があるのだろう(思いつく範囲では、例えばSFに哲学を導入した点)。
 そこからヒントを得てみて、物語のコンセプトを要約する、コンセプトを真似て作品を考えるなどをすると物語の体操になるかもしれない。
 例えば、しょっちゅう私が話題に挙げる「エヴァンゲリオン」を少しコンセプトを解体してみる。

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 「何故使徒と戦うか」⇒カフカなどに見られる実存的テーマ

 理由も分からず戦う不条理な物語⇒同じくカフカ小説

 アニメに哲学という発想⇒ルーツは大友克洋作品と押井アニメ⇒さらに辿ると「SFに哲学」は『ブレードランナー』から始まる。

 オカルト・宗教をアニメに用いる⇒ロマン主義など反伝統的な芸術運動に見られる手法で、現実逃避の材料にされる傾向もしばしば。

 後半の物語の崩壊(謎の伏線)⇒カフカ『審判』かと思いきやTVドラマ『ツイン・ピークス』。

 TV版のラスト⇒いわゆる「メタフィクション」と呼ばれる現代文学によくある展開。寺山修司の映画のラストにも主人公が映画について問うシーンがある。

 引用・パロディ・オマージュで作品を成り立たせる⇒ポストモダン哲学は基本的に全ての思想は引用に過ぎず、新しいことは過去の作品を参照することでしか生まれない。

 芸術と娯楽の境界線の消滅⇒プログレッシヴ・ロックはロックにクラシックの形式を与えたジャンル。1970年代カウンター・カルチャーは大衆作品(ロック、アニメ)にクラシカルな材料(クラシック・文学)を取り入れることでより発展した。以降プログレ自体古典となるが、内容の難解さのため、コア向けの音楽となる。

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 等々、作品が何に影響され成り立っているか、ジャンルとジャンルの類似は何かを考察するのは楽しいかもしれない。

参考資料:「森博嗣の小説執筆」

2009.04.08 Wednesday 16:24

 森博嗣は「小説が好き」「書くことが趣味」が理由で小説を書いていない。あくまで商品として完成させるためのビジネスで小説を書き始めたそうだ。本も年間僅かしか読まず、小説以前に日本語も上手ではなかったそうだ。
 「本当に書きたいものは何か」といった漠然とした精神論ではなく「どうしたら書けるか」という技術論で突破する姿勢はさすが理系作家だろうか。
 また、森博嗣は小説を書く際、メモを作らないそうだ。ただひたすらその場で浮かんだものを文章に書きだしていく。「本を読んでアイディアを考える」「ネタを貯める」こともしない。「スランプ」のない、ある面では「逃げ」の利かない作家だ。

創造的活動のために、教養としての読書

2009.03.31 Tuesday 05:04

 クリエイティブな活動をする際、情報収集、資料収集は膨大な範囲で行って構わない。ジャンルを限定する必要などない。むしろ、その人の好奇心が強ければ強いほど、そうなっていく。片端から関心のある資料を沢山を読み込んでいこう。「あらゆるものを知りたい」、ファウスト的欲求は人間として褒められるべきだと思う。企画等、発想を要するジャンルでは特にその人の日頃の勉強量がものを言う。
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