神話のモデルをプロットに採用した作品が好きです。私はプロットのリズムが悪い作品が好きではありません。大体、観ていてシナリオが印象に残る作品は、神話をプロットに組み込む仕方を上手く理解していると思います。
シェイクスピアの『ハムレット』やゲーテの『ファウスト』は確かにシンプルなプロットですが、それはあくまで「単一性」と言えるように、それ以上無駄なプロットを組み込むと芸術としての純度が下がるからそうなっているのではないのでしょうか。そのシンプルさが『ファウスト』を逆にいく通りもの解釈を呼んで、いくら模倣されても使い尽くされない作品にしたのだと、これを書きながら少し気付きました。
これを何でそうなるかと追求していくと、「元型」という概念に辿り着いて行きます。
--神話に見られる物語の法則を知りたい方はこちら--
河合隼男著『無意識の構造』(中公新書)
河合隼男著『昔話の深層』(講談社プラスアルファ文庫)