詩は芸術性を問われる言語作品だが、その芸術性を発揮するにはまず日本語を押さえることだ。これは絵画の写生と同じ、自らの表現を補強する基礎なのだから。読み易い文章と正しい日本語は矛盾しない。森鴎外を「難解」の一言で済ませる読者は現在は少なくないが、けして鴎外の文章が完成されていないわけではない。
現在はただでさえ、作品が作品を超える時代ではなく、古典に通ずる作品を残すことに意義がないとされる時代なのだから。ことわざと四字熟語も勉強すると面白い。森博嗣から言わせると、漫画にすら名文は宿るという。漫画を描く場合でも、その台詞の出来栄えに重点を置くと作品に厚みが出るかもしれない。
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