英国シンフォニック・ロック・アーティスト、エマーソン・レイク&パーマーに「タルカス」という名曲がある(私のハンドルはこれに由来)。まず20分以上にも渡るクラシックを意識した長編組曲で、そのアルバムの歌詞と挿絵にひとつの物語が敷かれている。
それは「タルカス」と呼ばれる『ウルトラマン』に登場するような怪獣戦車が、立ちはだかる怪物を次から次へと打ち倒して行き、最終的には母なる海へと還る物語。これはまず曲そのものが先に完成されており、それから物語と「タルカス」という名前を授けたそうだ。
「タルカス」という呼称のセンス、クラシックに肉薄する技巧、重厚感あるメロディ。「タルカス」の極みはハモンドオルガンによるクラシックというコンセプトを完成させてしまったことにある。「SF」という分野が文学として認められたように、プログレが立派なクラシックに相当する古典楽曲であることは疑いえないだろう。
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