小説の条件としてまずは、正常な言語で書かれていること。つまり日本語のレベルも勿論問われる。しかし、ライトノベルに関しては従来の小説と作品評価の条件が違う。そのことについては東浩紀著『ゲーム的リアリズムの誕生』(講談社現代新書)を参照。
そして、小説の主要な要素は言語・叙述・構成の三つだと思われる。プロットは必ずしも必要ない。つまり「物語ること」が小説の役割ではないとも採れる。ボルヘスの『伝奇集』やジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』、レムの『完全な真空』といった前衛小説はその代表だろう。
物語は必須事項ではない。「小説とは言語で書かれた芸術作品」とひとまず定義する。