Q.「漫画」というメディアは今後、どのような発展を遂げるとお思いですか?
A.既に発展を遂げたと思います。あとは、個々の才能を待つばかりで、他の芸術分野と同じでしょう。
(森博嗣著『臨機応答・変問自在2』集英社新書p27より)
しかし、漫画はまだ芸術と呼べる作品の登場は少ない気がする。映画史もまだ100年ほどなので、これからの展望次第だろう。
また、漫画は名作の定義が曖昧だ。人によっては大友克洋を指すこともあるだろうし、また手塚治虫を指すだろうし、浦澤直樹を指すだろうし、萩尾望都を指すだろうし、鳥山明を指すだろう。いずれもそれぞれ傾向が違う。そして、古典をあされば名作が見つかるという分野でもない。その名作を定めるには、各読者の主張、つまり主体性が問われる。だが、その主体性を持つ立場の読者もまた少ない。よって、広く読まれる作品が必ずしも深く読まれるか判別出来ない。
ひとつ言えることは、どの芸術でもそのジャンルの定義内で完成していることが名作のゆえんなのだ。エンターテインメントの性質を備えていることが漫画というメディアの条件ではないだろうか?
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